武くんは、私のことを貰うとかって良平くんに言ってたけど・・・。
それって、私のことを好きだから・・でいいのかな?
肝心の武くんの気持ちを聞いたことがないから分からない。
もしかしたら、良平くんへの対抗心だけでそんなこといったのかなぁ。
うむむむ・・・。
分からないなぁ。
「きゃああっ!!!」
考えごとをしながら武くんとベンチに座っていたら近くで女のひとの叫び声が聞こえた。
「なに!?」
ビックリして声の聞こえた方に視線をやると、たくさんの人たちがこっちに向かって走ってきてる。
なに・・・?
何があったの?
「千愛、ぼーっとしてんじゃねぇ!通り魔だ!!走れ!!」
武くんに腕を引かれて立ち上がって走り出す。
通り魔って・・・もしかして、電車の中で流れてたニュースの無差別殺人・・・。
嘘!?
「いたッ!!」
みんなが走りさる中、横で男の子の声が聞こえた。
転んじゃったみたい・・。
後ろを振り返れば鉈のようなものを振り回してる男の人が近づいてきてる。
どうしようっ!このままじゃあの子がターゲットにされちゃうっ!!
「武くんはなして!!」
「何言ってんだ!すぐ近くまで来てんだぞ!!!」
「でも、でも!!」
まだ小学生くらいの男の子を見捨てるなんて、出来ないよっ。
「お願いッ!」
武くんに掴まれていた右手を大きくふって、振りほどく。
「大丈夫ッ?」
男の子の元へ駆けよれば膝を擦りむいていた。
痛くて立ち上がれないんだ・・・。
おぶって逃げるのは無理がある・・・。
どうしよう!
どうしよう!
「へへへっ!次はてめぇだ・・・」
背後から聞こえた声の元を辿れば怪しく笑う男の人がいて、刃物をもった手を振りかぶっていた。
「っっっ!!!」
もう、ダメ。
なす術がなくて男の子をぎゅっと抱き寄せて目を閉じた。
グサッ!!!!!!!!!!!


