溺れ愛




意地はっちゃった・・・。


これじゃ自分勝手なのは私だよ。



「ごめんね、弥生ちゃんまで巻き込んで」

「それはいいのよ。てか、それでいいの」



弥生ちゃんが頭を撫でてくれる。



「ねぇ、たまにはハッキリ言えばいいじゃない。この前のキスシーンだって本当にキスしてたのかも相手が誰なのかも聞いてないんでしょ?」

「うん・・・」



完全にキスしていたように見えたから・・・聞けなかった。


良平くんが認めてしまったらと思っただけでダメージが大きくて。


でも、もうしそうだったとしても、それでも傍にいたいと思ったから。


もう聞くのはやめようって思ったの。


良平くんが、あんなことを言わなければ・・・私はきっと今だって良平くんのそばにいたと思う。



「今頃ギャルちゃんたちと一緒なのかなぁ」



自分で言ったことなのに一緒にいる光景を思い浮かべると苦しくなっちゃうよ。



「さぁね?でも、あたしいっつも思うんだけどさ。千愛は幼馴染だから竹下がそばにおいてくれてるって思ってるみたいだけど、千愛はどうなのよ」



どうって・・・



「私は、幼馴染じゃなくても良平くんの傍にいたいよ・・・。幼馴染だからってだけで好きになったわけじゃないもん」



幼馴染はあくまでもきっかけです。


でもどうなんだろう。


良平くんと出会えたのは幼馴染だからで、傍にいるのが当たり前なのも幼馴染だったから。



「ちがう。やっぱり、違うです。ずるいのは、私だ・・・。幼馴染って関係性を振りかざしてるのは・・・私だよ。イヤな子だよね、私・・・。良平くんのことが好きですって素直に伝えたことなんてないの・・・。大好きってちゃんと伝えなくちゃ」



幼馴染だからそばにいれるんだって思ってたくせに、幼馴染だから遠いんだと決めつけて。


最初からあきらめてたんだ、良平くんを。



「だいじょーぶよ?みんなズルイんだから。竹下なんてズルイ通りこして腹黒よ、腹黒!ほんとういけ好かないわね。あんた、これ計算でしょ?」



弥生ちゃんのやけに冷めた声・・・。


いつも私に向けるような声色じゃなくて違和感。


それにさっきから何を言ってるのか全然わからないよ?



「弥生ちゃん?」

「はぁっ。今日は千愛のこと譲ってあげるわ。でもね、今度千愛の心を痛めつけるような真似をしてみなさい?地獄に突き落としてやるわよ」



私と話してるはずの弥生ちゃんと全然目があわないのだけど・・。


私よりも後ろをみて話してるよね?



「肝に銘じておくよ」



弥生ちゃんが話してるのは、私じゃなかったんだ。


良平くんと話してみたいです。