溺れ愛




「良平くん・・・」



どうして?


どうしてここにいるの?


さっきの女の子は?


ねぇ・・・。


聞きたいことはたくさんあるのに、言葉が喉につかえて出てこない。


私もびしょ濡れだけど、良平くんも濡れちゃってる。


良平くんが風邪ひいちゃうです・・・。



「おろして・・・」

「ダメだよ」



やっと出た言葉はすぐに否定されてしまって。




「おねがい」

「ダメだよ。ちぃはすぐに逃げるから」



すたすたと大雨の中を歩き出す良平くん。


私のことを抱きかかえてたら、良平くんは余計に雨にうたれる時間がふえちゃう。



「良平くん風邪ひいちゃう・・・!お願いだから、先に帰って・・・」



ピタっと歩みがとまった。



「ちぃの方こそ、こんなに体が冷たくなってる。そんなちぃを置いて帰れって?」

「良平くんが風邪ひくほうがいやだもん・・・」

「何を言ってもダメだよ。俺、怒ってるから」



良平くんはそれだけいうとまた歩きだした。


私はそれ以上何も言うことが出来くて、良平くんの腕の中でじっとするだけ。


・・・気まずくて、息がつまりそう。


怒ってるって、何に?


こんな土砂降りのなかをどうして探してくれたの?


こんなことされたら、ますます良平くんを諦められなくなっちゃうよ。


幼馴染として、そばにいるって決めたのに。