溺れ愛



このバニラの香りは絶対に相馬くんだ。


声も、喋り方も似ているし・・・。


本人だったんだね。



「はぁ。こんなにすぐにバレるとは思っていませんでしたよ」

「あ、もしかしてバレたくなかった!?ごめんね!?」



隠れてバイトしてたのかな・・・。


そうだとしたら悪いことしちゃった。



「あんた、なんで学校でそのイケメンさを隠してんのよ」

「・・・面倒だからですよ」



弥生ちゃんはすぐに核心をつこうとするねぇ・・・。


いつものことだけど。



「でも、いいですよ?高木さんと水原さんが内緒にしていてくれればいい話ですから」

「あたしは別にあんたに興味ないしね。話す気にもならんわ。てか、誰も気づかないわ」

「私も!みんなには言わないよ~!」



なんだか理由があるみたいだし。


でも学校であんな風に色々言われちゃうのになんでわざわざ隠すのかな?



「助かります。じゃあただいまお持ちいたしますので。高木さんはお任せでよろしいですか?」

「うん。相馬くんにおまかせするね」



意外なところで相馬くんに会っちゃった気がする。



「びっくりねぇ。あのダサいダサいと言われ続けてる男がワイルドイケメンだなんて」

「そうだね」



なんとなく弥生ちゃんと二人で相馬くんを目で追った。