溺れ愛





「お邪魔、します・・・」



険悪なまま今日を終わるなんて絶対に嫌で、私は良平くんの膝の上におそるおそる座った。



「ねぇ、同じように座ったらちぃの顔がみえないでしょ?ちゃんとこっちみなよ、ちぃ」



良平くんはそういって、私を横抱きにした。


ひゃああああ!!


ど、どどどどうしましょう!?


顔が、近いです!熱くなっちゃうよ~!




「じゃあ、本題だけど」




平然と話をはじめる良平くん。


だけど、私はそれどころじゃないです・・・。


自分の心臓の音が大きくて、良平くんの声が聞き取りづらいもん。




「なんで、先に帰ったの?」



うぅ~・・。それ聞いてほしくないよ・・・。


だけど、このまま良平くんに何も言わないことも出来ないよね。



「い、忙しそうだったから・・・ごめんなさい」



女の子と一緒にいるのを見たくないとは、言えなかった。


私の気持ちがバレてしまうのが怖くて。



「謝るのはまだだよ、ちぃ。どうして・・・俺と帰らないのに相馬くんと帰ってたの?」

「え?」

「どうして、相馬くんといたのかって聞いてるんだけど」



いつもよりも低い声の良平くん。


どうしてって言われても、たまたまなのに・・・。



「校門でたら、声をかけられて・・・たまたま方向も一緒だったから・・・」

「よく知りもしない男と二人きりになるってどうなの?男は狼なんだよ、ちぃ」




ガブッ




「・・・ひゃあっ!?」




いきなり良平くんは私の首筋に顔を埋めて、噛みついた。



「な、ななななにするの!?」

「ちぃはね、小さくて可愛くて力もないんだ。狼と二人きりになるなんて言語道断」



首筋から顔を上げた良平くんと目が合う。


ドクン


色っぽい視線を向けてくるから、私の心臓が大きく跳ねた・・・。