溺れ愛




相馬君に、さようならも何も言えなかったなぁ。


良平くんがいつもと違う雰囲気を出すから・・・腕を引かれたまま、私は何も言うことが出来ない。


いつも一緒に帰ってたから、何も言わないで帰ったことを怒ったのかな、やっぱり。


理由が違うにしても、私が怒らせたことに変わりはないんだろうな・・・。


私が、我慢すればよかったです・・。


良平くんが女の子に囲まれているのを見るのも。


笑顔で話しかけているのを見るのも。


我慢すれば・・・良かったのに。


なんで、出来なかったんだろう。


良平くんを怒らせてしまうくらいなら・・・。


私の嫉妬心なんて、蓋をするべきだったんだ。


涙が、零れそう。


だけど・・・泣くのはダメです。


怒らせたのは私なのに、泣いちゃダメ。


もっと良平くんを怒らせちゃうかもしれないもん。



「ちぃ、座って」



良平くんは近所にある小さな公園につくと、屋根付きのベンチに座って自分の膝の上をポンポンした。


この公園は良平くんとよく遊んでいた場所だ・・・。



「あ、あの?」



膝の上をポンポンしているってことは・・・膝の上に座れってこと、ですか!?


まだ、昼間なのに。


そんな大胆なこと出来ないよ!!私!!



「早くしないと、このままちぃをおいて帰るよ?」



この、まま・・・?


この、雰囲気の悪いまま・・・良平くんが帰っちゃう。


そんなのイヤです。


仲直り、したいもん