溺れ愛




「良平くん?」



振り向けば息を切らしている良平くんがいた。


なんか・・・汗ばんでる?


もしかして走ってきたのかなぁ。


ギャルちゃんたちは、いいのかな・・・。



「はぁっ・・・。なんで、先に帰ろうとしてんの、ちぃ」

「あの、それは・・・」



他の女の子と一緒にいるところを見るのがイヤだなんて、言えないよ。


私にそんなこと言われたら良平くんが困る。


さらに、良平くんの鋭い視線に私はどうしていいか分からなくて・・・何も言えないし、動けないまま。


いつも優しい良平くんが、こんな目をしているのは久しぶりで。


私の心臓は大きな音をたてる。


どうしよう、どうしよう。


何か言ったら嫌われちゃう。


何も言わなくても、嫌われちゃう。


私、どうすればいい?


わかんない・・・。



「竹下くん、女性をそんな目で見つめたら萎縮してしまいますよ?」



助け船をだしてくれたのは相馬くんだった。



「・・・ちぃ、怒ってないから帰るよ。相馬くん、ちぃのことありがとう。こっからは俺がちゃんと送り届けるから。また、明日」



結局私は何も言えないまま、良平くんに腕を引かれて歩き出した。