溺れ愛


久しぶりだな、この感じ。


両親たちと、ちぃとヨウ。


ゆうりが生まれるまではよくこうしてご飯食べたっけ。



「あ、そーだ。もう明日撮影して来週には発表するからな?」

「急ですね」

「急にせざるをえなかったんだよー。あっちがあの娘と婚約させる気まんまんだからさ」



なんでもないようにいうコウさん。


…俺のせいで更に負担かけることになっちゃってる。


そんな無理矢理なスケジュールを組ませてしまったのは俺のせい。


それにしても婚約の話がコウさんにまで伝わってるということは…。


藤グループのご令嬢の婚約だ、各界が騒ぎ立てるだろう。



「本当に、すみません」

「謝んなよ。確かに注目の集め方は不本意だが、これでのしあがるのもひとつの手だしな。俺と竹下だって伊達に何年も会社のツートップじゃねぇよ」




ニシシと笑うコウさん。




「コウくん、カッコいい…」

「紗絵はかわいい」




…ラブラブだね、本当。


これを毎日みてたら確かに寂しくなるかもね、父さんも。


それはそうと、大事なお願いがある。


みんな揃ってるし調度いいかな?




「あの、お願いがあるんですけど」




俺の言葉にみんなが耳を傾ける。




「18になったら、ちぃと結婚させてください。もちろんそれまでに生活する力を必ず身につけてみせます。お願いします」




頭を下げる。


静まり返る両親とヨウ。




「わ、私からも!!お願いします!良平くんと一緒に私も頑張るから…!」




突然のことで驚いてるはずなのに、一緒に頭をさげてくれるちぃ。




「…18で結婚するってことがどういうことか分かってるんだよな、良平」

「重々分かってます」

「はぁ…」



コウさんの深いため息。


これはダメかもしれない。


だけど譲れない。


生まれてからずっと、俺の好きな女の子はちぃ。


その気持ちが揺らいだことはない。


これから先も、絶対に。




「お前らがどれだけ思いあってるか、ずっと見てきた俺たちにはちゃんと分かってる。な、竹下?」

「もちろんです」

「だけど俺も親だからな。できる限り千愛には苦しい思いしてほしくないとも思ってる。18で結婚することはそれほどハードルが高いことだと思う」



正論すぎる答え。



「でも、良平がどれ程誠実で、どれだけ千愛に寄り添ってきてくれたかも知ってる。千愛もそれを望むなら頭ごなしに反対はしないよ」

「コウさん!!ありがとうございます」

「ただし、条件がある」