溺れ愛



「さて、コウさんも紗絵さんもヨウも心配してるだろうから帰ろっか、お姫様?」



お姫様抱っこをして立ち上がる。



「あ、歩ける!です!!」

「ダーメ。大人しく抱かれてて?やっとちぃを甘やかせるんだからさ」



今までのことを思えば、これじゃまだまだ足りない。


ちぃが溶けてしまうくらい甘やかしたい。



「そういえば、俺のとこに帰って来てくれたってことは相馬は??もういいの??」



相馬への罪悪感から、俺の傍にはいられない…って思ってるんだと思ってた。



「うん…。なんか、吹っ切れたみたい色々と」

「色々って?」

「ふふ。武くんが傍にいて欲しいと思ってる人がいてくれてるです!」



にこにこのちぃ。



「そう。それは何よりだね。やっとちぃのこと独り占め出来る」

「良平くん、ヤキモチやいてくれてた…の?」

「…当たり前」



ていうか、嫉妬深いんだよね俺は。


出来ることならちぃに近づく男は全員排除したいなーなんて、思ったりして。


仲良しの真人にすら嫉妬してる、なんて格好悪くて言えないけどね。



「あんま、妬かせないでね??」

「気、気を付ける!!」



なんだか意気込んでるちぃが可愛くて頬に口づける。



「なっ!!!!!」



あたふたしてるちぃも可愛い。



「ははっ!このくらいで照れてたら身がもたないかもよ??」

「お手柔らかに…」



ちぃの頬が赤く染まってるのが暗がりの中でも分かる。


あぁ。


幸せだな。



「千愛ー!!」

「ちーちゃん!!」

「姉さん!!」



高木家の目の前に見える、3人の姿。



「パパ!ママ!ヨウくん」



ちぃの家族だ。



「も~!!ちーちゃんこんな足で杖も持たないで行っちゃうから心配したのよ~」



駆けつけてきた紗絵さんがちぃの頭を撫でる。


そりゃ心配するよね。



「すみません、俺のせいです」

「ふふっ、ちーちゃんはいつも良平くんのことになると周りが見えなくなっちゃうのよね」



微塵も俺を責めたりしない…。


コウさんも、紗絵さんも。



「千愛~!良平は待ってれば家に帰ってくるっていっただろ~!!足は大丈夫か!?パパがおんぶしようか!?」



コウさんも相変わらずちぃにはベタ甘。



「何いってんの、姉さんは良くんのお姫様抱っこがいいに決まってんじゃん」



ヨウはコウさんにはちょっと冷たくて。


やっと、いつもの高木家を見ることが出来たね。