溺れ愛



スキンケアに、筋トレに…。



「お風呂に上がってから化粧水つけるんじゃ遅い!お風呂で洗顔をしたらすぐにこの化粧水をつけるんだ」

「良平、あんまりごりごりに筋肉はつけないように鍛えるんだぞ!!」

「お風呂から出たら即効、スキンケア!夜はナイトクリームまでだ」



まさか自分に美容漬けの日々が来ようとはね。


そしてこんなに父さんと一緒に過ごす日々も久しぶりだ。


幼い頃から、俺の世界はちぃ一色で。


学校から帰ってきてもちぃの家に入り浸ってたからね。


ちぃが喜ぶから、髪を結ぶのが得意になった。


ちぃに運動会で褒めてほしくて、走る練習をした。


ちぃを助けたくて、勉強も先取りで頑張った。


今度は、ちぃと一緒にいるために…モデルになろうとしてる。


俺って本当にちぃを原動力に生きてるんだね。


ちぃがいなければ、無気力に1日を終える日々だったのかもしれない。



「さぁ、いよいよね」



桜おばさんの声に、現実に引き戻される。



そうだった。



今日は桜おばさんと共に招待されたパーティーだ。




「それにしても良平?」




桜おばさんの視線が俺の身体をおっているのがわかる。




「2週間でよくここまで身体つくったわね。偉いわ」




デザイナーの桜おばさんには合格点をもらえたらしい。


筋トレやランニングに集中してる間は藤真由美も色んな理由をつけてほっとけたしね。


目標にむかって打ち込むことは出来たかな。




「ここが会場よ」




ついたのは、高級ホテルだ。


入り口に吸い込まれていくのは、いずれもドレスやスーツをビシッと着こなした人たちばかり。


あーあ。


普通に考えて俺のいる場所じゃないね。


でもまぁ、せっかくだ。


楽しんでいこうかな?