溺れ愛



・・・パーティーは二週間後なわけで。


必然的にそれまでは一緒に過ごさなければいけないんだよね。




「せんぱぁい!この前は早く帰っちゃって真由美寂しかったヨォ???」




この子とさ。


このなんとも言えない猫なで声・・・。


そのうち慣れるのかな?


俺の腕に巻き付くこの腕が、ちぃのものだったらいいのにね。


授業中は解放されるけど、放課後になると強制的に藤真由美の家へと連れて来られる。


これじゃ二週間後のパーティーまでに自由に動けない。



「あんまりくっつかないで欲しいんだけどな?」



藤真由美と過ごすこの二週間が・・・憂鬱で仕方がないよ。



「あれェ?イインデスカ??そんなこと言って。分かってますよね、良平先輩のた・ち・ば♪」

「・・・俺に、本気で好かれたいと思うなら・・・俺の嫌なことはしないことだよ?」



ただ単に、従うだけだと思わないでほしいね。



「やっぱ、あたしの思い通りにはなってくれないデスネ♪じゃあ、こうしましょう。あたしのことは名前で呼んでくれたら、不用意にはくっつきません」



そう言った藤真由美は珍しく真剣な目で俺を見上げていた。



「・・・分かったよ、真由美」

「フフ♪」



なんだ。



「そんな顔も出来るんだね」



俺が名前を呼んだ、それだけで。

いつも何かを企んでそうな・・陰のある笑顔じゃなくて、純粋な女の子の笑顔にみえた。



「え?」

「いや?なんでもないよ、真由美」



意外にも本当に腕を離してくれたうえに、しっかり間を空けて座りだした藤真由美。


今日はやけに素直だ。


もともとは素直な子なのかもね。