溺れ愛



とにかく彼女の行動の裏に、財閥のトップ・・・いや、元財閥のトップがいるということだけは分かった。


それにしても不思議だな。


俺と藤真由美を引き合わせたいのは何故だ・・・?


不思議に思うところはたくさんあるんだよね。


そんなに良いところのお嬢様が、俺に興味をもっていること。


そして更に不思議なことは、その親が一般人の俺と娘を引き合わせようと画策していることだ。


普通ならもっと良縁を求めるんじゃないだろうか。


俺の父親は確かに会社のトップ2ではあるけれど。


藤グループとは対比にもならない。


それこそ、デザイナーとして名を轟かせている桜おばさんがいない限り、繋がりようもないからね。


もし娘の相手にと思って俺と引き合わせるのであれば・・・。


娘が可愛すぎて娘の思い通りになんでもしてあげたいのか。


もしくは、その逆だ。


娘を遠ざけるため・・・。


俺の予測では恐らく後者だ。


あのタワーマンションに一人で暮らしている時点で・・・。


遠ざけるために与えた、ようにしか見えなかった。


一体何があるのかな。


まぁ、何があってもおかしくないよね。


あまりにも大きな権力と財力を握っている家なんだ。


何が起きていてもおかしくない。


本当だったら関わりたくもないけどね。


だけど、



「行くよ。パーティーに」

「本気?今ならあたしが適当に話を流すことも出来るのよ?」

「それじゃ、ちぃを・・・ちぃとの関係を守れないでしょ?行くよ、俺」

「・・・分かったわ。良平、あなたが器量が良いのは知ってるけど、何かあったときにはあたしたち大人がいるってことを忘れちゃダメよ?いいわね」

「うん、ありがとうね。桜おばさん。桜おばさんが俺の叔母さんで本当に良かったよ。昔から本当、大好きな叔母さんだよ」

「・・・良平は昔から女心の扱いがうまいわよね」



さぁ、とにかくパーティーに参加して何か掴まないとだね。