溺れ愛




「今日は始業式だからHRだけだ。ま、とりあえず自己紹介してから遠足の班決めだな。もう決まってんだろうが」



そんなこんなで一人ずつの自己紹介がはじまった。


一年生のときに同じクラスだった人とかもチラホラいて、なんとなく顔を知っている人ばかりだなぁ。


そんな中、



「うっそ、アイツ同じクラスだったのぉ?最悪なんだけどぉ」

「同じ班にだけはなりたくないよねぇ!」



一人の男の子が教壇に上がると、クラスのギャルちゃんたちがざわめきだす。



「相馬 武です。・・・よろしく」



そうま たける くん。


あ、私の席の隣だったみたい!


仲よくなれるといいなぁ。


眼鏡をかけていて、髪はボサボサだけど。


なんで嫌がられてるんだろう・・・。


ちょっと暗くはみえるかもしれないけど、それだけでそんな風に言う必要ないのに・・・。




「あれ?」



教壇から戻ってきた相馬くんから甘い匂いがふわっと香ってきた。



「おいしそうなにおい・・・!」

「はい?」

「あ、ごごごごめんなさい。つい甘くておいしそうな匂いがしたから・・嗅いじゃった」



は、恥ずかしい・・・。


匂いにつられて相馬くんの動きに合わせて顔を動かしちゃったよぉ~!



「変な奴」

「ん?なんか言った?」

「いえ、別に」



相馬くんがボソッと何か言っていたような気がしたんだけど・・・気のせいかなぁ?