溺れ愛



桜おばさんが厄介だと言っているってことは・・・。


もう、藤真由美一人だけの問題ではなくなっているってことだろう。


怖いのは藤真由美の暴走だけじゃなくて、その後ろ盾。


だからこそ、ちぃを手放した・・・いや、遠ざけた。


藤真由美がちぃに手を下したのは自信があるからだ。


自分の行き過ぎた行為を打ち消せる自信が。


なにか、何かないのか。


この状況を打破出来る一手が・・・。


あっちが親の後ろ盾を利用するならこっちだって、と言いたいところだけどそれは無理だ。


コウさんと父さんの会社はそれなりに軌道に乗っているとはいえ、財閥のトップからしたらそのへんの小さな会社だ。


だからこそ、色んな界隈の人ともパイプのある桜おばさんの元へとやってきた。


でもその桜おばさんですら厄介だと言っていることを、どうしていけばいいのか。



「その藤真由美のことなんだけど・・・」



まずは今までの経緯を聴いてもらうことにした。


桜おばさんもちぃを可愛がってくれているから何か力になってくれるかもしれない。



「・・・そう。~~~~~しんっっっじられない!!!!!」



目を閉じ、冷静に頷いて見せた直後、桜おばさんの顔が歪んだ。


初めて見たくらいの怒りの感情を露わに、拳を机に叩きつけた。



「そもそもずっと前からうさんくさいのよ!!あそこの財閥は!!!!!!大体、大昔に財閥解体してるくせに権力も経済力も変わらないなんておかしいのよ。何か黒いことやってるに決まってるわね。そのエセ財閥のエセ財閥嬢なんだから、おっかないことしたって今更ビックリなんかしないわね」



はは・・・。


お怒りのようで。クールな桜おばさんの初めてみる一面だね。


怒りは分かるよ、痛いくらいにね。