溺れ愛



出来るだけ淡々と感情を押し殺して相馬に説明する。


真剣な面持ちで話を聞く相馬を見れば見るほど、ちぃが相馬を信頼したり心配したりする理由が分かってしまう気がするよ。


自分が良い奴だと思う人の傍にちぃを置いとくなんてね。


昔の俺ならありえなかった。


俺以外の男がちぃのそばにいると思うだけで胸糞悪いんだから。


だけどね、今回ばかりは・・・。


離れることでちぃを守れるのであれば、そうするよ。



「なるほどな。藤財閥ねぇ、権力ってのはおっかねぇな・・・。そういう理由なら病院にいる間の千愛のことは俺にまかせろ」



こんなに強い味方もいるしね。



「頼むよ。信頼してるよ心の底から」

「・・・要約すると千愛に手を出したらただじゃおかねぇってことだな。だんだんお前の事が分かってきたぞ、竹下」



相馬から呆れるような視線を受けつつ、なんだか相馬の俺への態度が心地よいのはなんでだろうね。



「お前、実は腹黒だろ」

「・・・なんのことかな?」



ああ、分かった。


相馬は裏表がないからか。


俺の汚いとこも軽く受け止めちゃうみたいだし。



「嫌いじゃないよ、相馬みたいなやつ」

「キモイぞ、竹下・・・」



そんなにげっそりされると傷つくなぁ。


なんてね。



「・・・今なら千愛は爆睡中だぞ」

「やっぱり、嫌いだよ」



俺の心の中をいとも簡単にくみ取るなよ。


ひと目、ちぃに会いたいって。