「っ――…」 「優介?」 安心したからか、 何故か俺の目から 雫が落ちた。 「よかった――…っ」 俺は、さっきより きつく 成美を抱きしめた。 もう、どこにも 行かないように。 「何があったか 知らないけど 私は大丈夫だからね?」 そう言って、 俺の頭をよしよしする。 この時、俺は必死で 成美の目が 赤かったことに 気付かなかった――…。 成美が苦しんで いたことに 気付かなかった――…。 **************