「今から岡田さんのとこに電話するんですけど。一ノ瀬先生も話されますか?」

職員室で学習ノートの点検をしてたら
隣の席の田中先生に声をかけられた。

「え…っと、大丈夫です。」
いきなりの出来事すぎてびっくりした。

田中先生は何も言わず受話器を手に取り、電話番号を入力していく。

”この人、強制的に俺たちに話をさせるつもりなんだ”
悟った時にはすでに遅く。

「今隣にいるので変わりますね」
…まじかよ。
受話器を差し出される。

「久しぶり。大丈夫か?」
何も考えられなくてとっさに出た言葉。

「全然、大丈夫じゃないです…。
倒れそう〜。」

久々の岡田の声。

岡田が学校にいないのはとても寂しかった。姿を見れないのが辛かった。

他愛もない話ばかり。
でもこうやって岡田と話していると
すごく幸せで心が満たされていく感じ。

「自主勉ノート、
先生に出しても良いよ。」

ほんとは直接、面と向かって言いたかったんだけど我慢できずに伝えた。