4角関係

「麗華、大丈夫か?」







「篤ごめん。ほんとにごめん…。」








「麗華を泣かせるつもりなかったのになー…。ほんと情けねえわ、俺は。」








「…篤は悪くない。…私、和泉に言ってくる。じゃないと、篤とも前に進めない。」








私は涙を拭って立ち上がった。
和泉は、きっと今も一人だ。

まゆちゃんが行ってあげてても、心は一人だ。








「篤、待っててくれる?」








「うん。待ってるよ。」








私は和泉のいる方に走った。
下駄でいることも忘れて走った。








「和泉…!」








「…麗華?」








まゆちゃんはいなくて。
きっと帰ったんだと思った。







「…私ね、和泉に聞いてほしいことある。」







「…ん?」







「…私ね、ずっと和泉が好きだったの。」







「…え?」








「それが私の悩み!」








私は大声で叫んだ。
花火の音にかき消されないように。







「…ごめん。」








花火の音は大きくて、だけど、和泉の声ははっきり聞こえた。






「…俺、麻由香が好きで、」







「分かってるよ?だけど、聞いて欲しかったの。前に進むために。」








「…麗華。」








「私はこれからも、和泉の相談に乗るつもりだけど…?」







必死に涙をこらえながら言った。
今泣いてしまえば、楽かもしれない。

だけど、
今泣いてしまえば、和泉が戸惑う。
和泉が迷ってしまう。


私が泣いたら、和泉が前に進めなくなる。






「和泉、私、和泉の優しいとこが好きだよ。だから、遠慮なく言ってね?」








「俺は…」








「私は!変な優しさなんていらない。」








和泉は、きっと私に優しくいうんだ。

気づけなくてごめんな。
麗華もいい子だし…。

って。







だけど、迷って欲しくない。







「…ごめん。俺は、麻由香を選ぶ。」








「…うん。それでいいの!じゃあ、私、篤またせてるから、またね!」








私は篤のところに歩き出した。
歩いてる時は、泣いてしまった。

涙が止まらなかった。
声をあげて泣いた。



篤が見えた瞬間、もっと涙が出てきた。