I LOVE YOU

俺は、そこそこの偏差値の高校に受験し、受かった。

そこそこの学校に入学し、そこそこの学校生活をし、そこそこの友達をつくればいい。

そう思っていた。

しかし、その想いは、直ぐに打ち砕かれた。


~入学初日~
(えーと、俺のクラスは……)

一学年のフロアをウロウロしていた俺は、やっとのことで自分のクラス、一年A組を見つけて入った。

この学校は、A~E組に別れていて、A、B、C、D、Eと、あとの方になればなるほど、頭が悪い、不良が集まると言う具合になっている。

それのなかで、俺はA組だ。簡単に言えば、頭がいい、優等生という事だ。

そんなことを考えていると、後ろから声がかかった。

?「どいて、そこ邪魔」

蓮「え?あ、すいません、今どきます」

気づけば、入り口で立ち止まっていたようだ。

俺は一言謝って、そそくさと自分の席に座った。

バッグから、教科書や何やら色々取り出していたら、隣の席の女子に話し掛けられた。

女子「ねぇねぇ(n‘∀‘)η 私、沢城麗(さわしろ うらら)!!宜しくね♪」

蓮「あ、あぁ…宜しく…ペコッ」

俺に話し掛けてきた女子、沢城は、好奇心旺盛で、周りから好かれるタイプの子だった。

俺はそういう子が少し苦手なので、あまり関わらないようにしようと決めた。しかし、、、

麗「丹波君て、せっかくイケメンなのに何で前髪で顔隠してるの?勿体ないじゃん」

蓮「は?沢城には関係ないだろ…」

麗「……何かあったの?」

蓮「だから関係ないって言ってるだろ…!」

しまった…キツく言ってしまった…

やな奴と思われたろうか…?

すると、沢城は、人の心配をよそに、笑っていた。

麗「(´∀`*)ははは♪」

蓮「…なに笑ってるの?」

麗「ごめん、ごめん。丹波君て、静かで、怒鳴らなそうな感じなのに、意外だな~と思って♪」

蓮「……」

その後、沢城は、俺のことの名前で呼ぶこと、自分の事も名前で呼ぶことを条件とし、それ以上聞き込まないことを約束した。

~放課後~
入学初日ということで、三時間ちょっとで終わり、それぞれの家路についた。

麗「蓮ー!!」

蓮「……何、麗」

麗「イヤー、一緒に帰ろうかと思ってね♪」

蓮「……別にいいけど、方向一緒なの?」

麗「あ……」

蓮「考えなしに物事言って…」

麗「まぁまぁ!!いいじゃん!途中まで一緒かも知れないじゃん!」

そう言って、無理矢理(と言っていい)連れていかれた。

蓮「イテッ!イタイイタイ!!」

麗「なぁに?情けないなぁ!ちょっと引っ張っただけじゃない」

蓮「え、俺が悪いの?」

麗「さぁー帰りましょー」

蓮「……無視?」

麗は、俺の言葉なんて聞く耳持たず、どんどん先に進んでいく。

俺は、しょうがない……と、とりあえず麗についていった。

しかし、、、

蓮「……?麗、どこ行くの?」

麗「え?私の家こっち方面だよ?」

蓮・麗「………」

早速、問題が出てきた。

俺は校門を出て、直ぐ右に曲がる。しかし麗は、左に行くのだ。

蓮「これじゃ、ダメだな……」

麗「ハハ……見事に逆方向だね」