恐る恐るだが睦月君を起こそうとする。
すると肩にもたれかかってきた。

えっ……えぇっ!?

「あ、あの……睦月君…」

心臓がバクバク高鳴っている。

必死に名前を呼ぶが
すでにスヤスヤと眠っているではないか。

この状況をどうしたらいいのだろうか?
起こすべき?でもでも…。

チラッともたれている睦月君を見る。

間近で見る睦月君は……本当に綺麗だった。

バザバサに長い睫毛。
鼻も真っ直ぐ高くて整った顔立ち。
女子達がキャーキャーと騒ぐのも頷ける。

美形とかいうのなら睦月君の事を言うのだろう。
そんな彼が私の肩にもたれて寝ている。

なんて……凄い光景だろうか。

うっとりと見惚れていると
こちらまで眠くなってきた。

空を見上げると今日は、本当にいい天気だ。

睦月君が隣に居ると恥ずかしいはずなのに
何だか胸がぽかぽかと温かい……。

「……い。おいってば。起きろ。
睦月。咲良ちゃんも」

誰かが……呼んでいるような……?

うっすらとする意識の中
誰かの声がして目を覚ました。

すると目の前に金本君が居た。

「……金本く……ん?」

「あ、咲良ちゃん。目を覚ましたか?
おーい。睦月も起きろ」

金本君は、睦月君を起こしていた。