徐にメッセージカードを手に取り開けてみた。
すると
『クッキー焼いたので食べて下さい。
睦月より』
そう書いてあった。
えぇっ!?手作り!!
「こ、これ…睦月君が作ったんですか!?」
あまりにも驚いて睦月君を見る。
するとコクリと頷いてくれた。
私は、もう一度そのクッキーを見た。
この女の子っぽく可愛らしいラッピングにも
驚いたけど、クッキーが
睦月君の手作りっていう事にさらに驚いた。
こんがりと焼けていて市販のクッキーみたいだ。
美味しそう……。
するとチャイムが鳴り出した。
あ、ホームルームが始まっちゃう。
「あの……クラスに戻った方が……」
早く戻らないと先生に怒られてしまう。
そうしたら睦月君は、
私に手を差し伸べてきた。
えっ?立てと……?
意味が分からなかったけど
言われた通りにその手を受け取った。
するとグイッと引っ張られ立ち上がると
握ったまま歩き出す睦月君。
「えっ?……ちょっ…睦月君!?」
慌てて名前を呼ぶがこちらに振り向きもせずに
ドンドンと階段を上がって行く。
向かっている先は、屋上!?
な、何で……?
保健室でもなく
立ち入り禁止になっている場所に
ドアを開けると綺麗な青空が見えてきた。
睦月君は、手を離すと
フェンスの所まで歩いて行ってしまう。
私も着いて行く。
すると睦月君は、座り込んだ。
そして隣に座るように地面をポンポンと叩いた。
座れってことよね?



