サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)


声をする方を見ると睦月君だった。

な、何で!?

心配になって追いかけてくれたの?
いや、そんな訳が……。

「…歩くのも辛いなら、おぶっていこうか?」

睦月君がそう気遣ってくれた。

えっ……と…。

「だ、大丈夫です。歩けますので」

顔を合わせづらいため背中を向けた。
泣き顔を見られたくない。

きっとブザイクだから……。

すると私の視界に小さな紙袋が映った。

えっ……?紙袋?

振り向くと睦月君が私に紙袋を見せていた。

そして受け取ってと言わんばかりに
差し出してきた。

これを……私に?

「あの……私に……?」

そう尋ねるとコクリと頷いてくれた。

どうして私にくれるのか分からなかったけど
受け取った。

「……ありがとうございます」

何が入っているのかしら?

気になり中身を覗いてみた。

すると可愛らしく袋にラッピングしてある
クッキーと小さなメッセージカードが入っていた。

クッキー?