こんなプリクラ
睦月君だけには、見られたくない。
あんなのを見られたら
ドン引きどころか…嫌われちゃう。
泣いて逃げ出したい気持ちを必死に抑えて
そのプリクラとコピーを剥がそうと
黒板の方に行こうとした。
しかし人が多いためなかなか前に行けない。
そうしている内に
「あれ?この人混みって、どうしたんだ?」
ドキッ!!
金本君の声が聞こえてきた。
ま、まさか……。
振り向くと金本君と睦月君が居た。
ど、どうしよう……もう絶体絶命だよ!
「何?何?
俺にも見せてよ?」
興味津々と金本君は、前に出ようとする。
周りは、ざわつき道を空けてしまう。
睦月君もその後ろをついて行く。
も、もうおしまいだ。私の恋が……。
ギュッと目をつぶった。
すると
「おーダイナミックな変顔だな!?
俺も今度真似して写してみようなぁ~」
えっ……?
恐る恐る目を開ける。
金本君は、同じように真似をしていた。
金本君は、他の男子と違い
馬鹿にしている訳ではなく
面白いネタ扱いにしてくれた。
だが睦月君は、黙ったまま
コピーした方を眺めていた。
あぁ、ガン見されてる……!?
ベリッ……。
そうしたら睦月君は、無言のまま
そのコピーとプリクラを剥がしてしまった。
えぇっ……!?



