しかし睦月君は、気にもしないで歩いて行く。
たまにチラッとこちらを見て歩く
ペースを調節してくれた。
(あ、合わせてくれている)
具合が悪い時もそうだったけど
彼は、クールに見えてとても優しい。
私にも優しくしてくれる。
バス停まで行くと来るまで待っていてくれた。
するとまた、私にスマホを見せてきた。
今度は、何を書いてくれたのだろうか?
受け取るとあの顔写真に
貼ってあった猫の写メだった。
か、可愛い~!!
「可愛い~」
すると私に近づきスマホを操作する睦月君。
ち、近い…。
ドキドキしながら
画面を見ると違うポーズをする
白猫が写っていた。
どれも同じ猫なのだが
どれも可愛いのばかり。
「あ、これも可愛いですね。これも」
夢中で見ていると
「……我が家の猫。白雪っていう名前なんだ」
そう言って説明をしてくれた。
白雪って言うんだ?
名前まで可愛い。
この猫によく似合う。
「へぇーいくつですか?」
「今年で11歳。お婆ちゃん猫」



