サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)


「……そうなんだ?」

おっちょこちょいな睦月君のお母さん。

何だか勝手ながら親近感が湧いていた。
不思議と

そうしたら笑っていた金本君が

「まぁ、仕方がないから売店で
パンやおかずになりそうなヤツを買えよ。
何なら少し分けてやっても…っておい。
俺のを真っ先に食べるな!!」

勢いよくツッコミを入れた。

見てみるとすでに
違うお弁当に手をつける睦月君の姿があった。

それって…もしかしなくても金本君のお弁当?

睦月君は、不思議そうに首を傾げた。
そして自分のお弁当箱を金本君に差し出した。

「アハハッ…睦月が換えて欲しいってさ
交換してやれよ?拓馬」

「アホか。ご飯も2つもいらねぇーよ!!
返せ…睦月」

強引に取り返そうとするが
睦月君は、嫌だと拒んだ。

それを見てさらに爆笑する皆。

私もその光景を見ていたら思わず笑ってしまった。

睦月君と金本君は、
幼馴染みなだけあって仲がいい。

何だか少し私と舞香に似ていた。

それに睦月君って、話さないから
どうやって他の人と
コミュニケーションを取っているのか
不思議に思っていたけど

周りが理解しているのか動作で
判断しているようだった。

「それよりマジで弁当どうする気だよ?
言っておくが全部は、やらんからな」

金本君は、お弁当を取り返しながら言った。

確かにこのままだと睦月君のお弁当が無い。

男性だし…それは、さすがにお腹が空くわよね。
戸惑いながら自分のお弁当を眺める。

「あの…良かったらこれ食べて下さい!!」

勇気を出して
睦月君に自分のお弁当を差し出した。