「は、離しなさい。
何で拓馬が追いかけて来ますの!?」

茉莉華ちゃんは、手を振り払うと背中を向けた。

意地っ張りだから
涙を見せたくないのだろう。

そうしたら金本君は、ギュッと茉莉華ちゃんを
背中ごと抱き締めた。

「ちょっと、拓馬。離して下さいまし」

「なぁ、俺ではダメか?
睦月の代わりにはなれないけど
もういい加減。俺を見ろよ」

金本君は、初めて気持ちを打ち明けた。

「はぁっ?な、何を言ってますの。
悪ふざけなら今は、聞きたくもありませんわ」

そう言い無理やり離れる。

真っ正面に向き合う2人。

「悪ふざけじゃねぇーよ!!
俺は、茉莉華のことが好きだ。
お前が睦月を見ていた時から
ずっと見ていた。
なぁ?そろそろ俺に気づけよ?
睦月ではなくて俺を見てくれよ!?」

真っ直ぐと真剣な表情で
気持ちを伝える金本君。

茉莉華ちゃんは、驚いて動揺していた。

まさか、告白されるなんて
思わなかったのだろう。

「そ、そんな事を言われましても……困りますわ。
わ、私は、睦月様一筋なんですのよ。
そんな簡単には、あなたの気持ちになんか
応えられませんわ」