睦月君は、表情を1つ変えない。
体操着で汗を拭いている姿を見えると
クラスの女子生徒から黄色い声援が飛んだ。
「ちょっ…藤崎君って、スポーツ出来たんだ?
凄い…マジでカッコよくない?」
「見た目は、クールなロック系なのに…ヤバいかも」
そんな事を言っていた。
噂をしていた男子や女子達は、
すっかり尊敬の眼差しで見ていた。
さっきまでと大違いだ。
睦月君は、凄いな。
あっという間に人気者になれるのだから
何だか別世界の人に思えてきた。
私もあんな風になれたらいいのに。
羨ましくもなり
改めて近付けない人だと思えて切なくなった。
体育が終わりお昼になった。
「咲良。一緒にお昼食べよう」
美守が私を誘ってくれた。
「うん。」
嬉しい…1人で食べなくても済む。
すると廊下から2人ぐらいの男子生徒達が
睦月君達を呼んでいた。
「おーい。拓馬、佐藤、睦月。
屋上でメシでも食おうぜ?」
「おう。」
金本君が返事して立ち上がった。
続けて佐藤君?と睦月君も
いいなぁ…私も睦月君達と一緒に食べてみたい。
そんなの無理だと分かっていても
思わずそんな事を考えながら見ていた。
すると金本君が、こちらに振り向き
「おーい。咲良ちゃんも一緒にどう?昼めし」
そう言って誘ってくれた。
き、奇跡が起きた!!?



