「分かった、分かった。
付き合ってやるから離してやれ」

金本君は、ハァッ……とため息混じりに言った。

するとスッと手を離してくれた。
解放される。

そうしたら睦月君は、さっさと歩き出し
チラッとこちらを振り返った。

「早く行きたいとさ…ったく
相変わらずマイペースな奴だな。
悪いな、咲良ちゃん。
ちょっと付き合ってやってくれないか?」

金本君が私に頼んできた。

「あ、はい。」

断る理由はなかった。
むしろ一緒に居られるのは嬉しかった。

私達3人は、そのまま
人気のパンケーキのお店に向かった。

人気なだけあって
すでたくさんの人が並んでいた。

「うわぁ~相変わらず混んでるな。
ここは……」

金本君は、うんざりした表情していた。

相変わらず……?

「金本君は、普段もこういうお店に?」

「あ?あぁ、睦月の付き添いでな。
卯月や涼花おばさんとだけで行けばいいのに
帰りに食べたくなったからって
強引に付き合わされる。
まぁ、俺も甘いの平気だからいいけど
パンケーキは、甘ったるいからな」

金本君は、迷惑そうに言っていた。

でも、そう言いながらもちゃんと付き合って
あげる所が面倒みがよくて優しい。

やっぱり睦月君の保護者みたいな感じに思える。
舞香と私みたい。

しばらく並んでいるけど
少しずつ動くがまだまだかかりそうだ。

あ、あそこに自販機がある。

「あの……私、そこの自販機で
飲み物を買ってきます。何がいいですか?」