「咲良ちゃん行くぞ~」
金本君が私の名前を呼んでくれた。
「あ、はーい。」
私は、慌てて駆け寄った。
廊下を一緒に歩いていると金本君が
「咲良ちゃん頑張ったじゃん。
よくあんな落書きされた机を使おうと思ったな?」
そう言って褒めてくれた。
「……睦月君のお陰です。
顔色変えずに交換してくれようとする姿を
見て私も頑張らなくちゃあと思えました」
まだまだだけど……少しずつでも
自分を変えていきたいと思えた。
「へぇー立派な心意気だな。
睦月の場合は、ただ無関心なだけだけど」
「アハハッ……確かに。
しかし机に落書きって小学生のガキかよ?
やり方がアホっぽいな」
佐藤君は、ゲラゲラと笑いながら言っていた。
家庭科室に着くと
睦月君は、冷蔵庫から朝下準備をした材料を
取り出し混ぜ合わせていく。
金本君は、家庭科室にあるホットプレートを2台
取り出して設定していた。
私もお皿やコップを出すお手伝いをする。
しばらくして高瀬君と篠田君も来た。
でも、そこに舞香が居なかった。
「あれ?舞香は……?」



