すると昨日、私に嫌味を言ってきた子達が
クスクスと笑っていた。
この子達だ……書いたの。
私は、ボー然と立ち尽くしていた。
その時だった。
いつの間にか睦月君が目の前に現れ私の机を
ひょいと持ち上げる。
えっ……?
自分の場所に置くと今度は、
睦月君の机を持ち上げてこちらに持ってきた。
そして置くと何も無かったかのように
自分の席に戻っていた。
これは、つまり……。
“自分の机”を使えと言っているのだろうか?
チラッを見ると窓の景色を眺めていた。
凄い……。
落書きが書いてある机を見ても顔色変えずに
対処する精神力。
わ、私も見習わなくちゃあ!!
私は、睦月君の所に行く。
「あの……交換してくれて申し訳ないのですが
戻してもらってもいいですか?
私、これで大丈夫ですから」
そう言い切った。
こんな事で凹んでいたらダメだ。
睦月君みたいに強くならなくちゃあ!!
すると睦月君は、私の頭をポンポンと
撫でてくれて机を戻してくれた。
少し遅れて担任の小野先生が入ってきた。
私は、そのまま落書きを書かれてある机を使った。
机には、死ねやブスなどが書かれてあったけど
不思議と平気だった。
それは、きっと
睦月君が勇気をくれたお陰だ。
乗り越える勇気を……。
授業が終わりお昼になる。
睦月君は、立ち上がりクラスから
出て行こうとしていた。
金本君と佐藤君も続けて立ち上がった。



