「は、はい。」
やや強引に送ってもらうことに
なってしまった。
ほ、本当にいいのだろうか?
お父様の車は、とてもカッコイイのだった。
住所を教えるとカーナビで
設定して走り出した。
出る時に睦月君と卯月ちゃんが
手を振ってくれた。
しばらく静かになる車内。
チラッと見ると睦月君のお父様は、
サングラスをつけており
なんというかワイルドで素敵だった。
睦月君も大人になったら
お父様みたいな感じになるのだろうな。
そうなった頃……私も見れるかな?
そんな事を考えていたらお父様が私に
話しかけてくれた。
「咲良ちゃん。アイツ……学校では、どうだ?」
「えっ?」
意味が分からず聞き返してしまった。
「睦月だよ。アイツ……ほとんど話さない奴だから
クラスでも浮いたりしてるだろ?」
「そ、それは……」
睦月君に対して驚いたりもしたけど
金本君達のフォローや持ち前のカッコ良さと
運動神経で女子や男子から注目を浴びている。
ただ私のせいで、株を下げたかもしれないけど……。
「……睦月君は、金本君が居るから
心配いらないと思います。
女子からの人気も高いですし…。
逆に私がそばに居るのがおこがましいぐらいで」
持っていたカバンと紙袋をギュッと握った。



