紙袋の中身を見てみると
パンやドーナツが透明な袋に小分けして入っていた。
すると睦月君のお父様が
「あぁ、お土産に持って帰れってことだろ?
余ったから」
そう言って教えてくれた。
睦月君は、当たったらしく
コクリと頷いてくれた。
えぇっ!?
こんなの本当に貰ってもいいのだろうか?
お見舞いに来ておきながら
お土産付きで帰ることになるなんて
申し訳ない気持ちになる。
むしろ買ったプリンより遥かに豪華だわ。
「えっと……ありがとうございます。
で、では……失礼します」
もう一度深々と頭を下げた。
そうしたら睦月君も靴を履き出した。
「送る。夜道危ないから」
「えっ?でも……」
だがお父様は、睦月君の肩をガツッと掴んだ。
「アホ。学校を休んだ病人が何送って
行こうとしてんだ!?
俺が車で送って行くからお前は、
大人しくしていろ」
そう言って防止された。
えぇっ!?
お、お父様が送ってくれるの!?
「あ、あの……私は、1人でも帰れますし
ご迷惑になるのでは……?」
さすがにそれは、申し訳ない。
すると卯月ちゃんも
「あーパパも行くなら卯月も行くぅ~」
ぴょんぴょんと跳ねながら一緒に行きたがる。
「卯月もお留守番。ほら、行くぞ!」
そう言われた。



