「悲劇のヒロイン気取りってヤツじゃない?
私だったら恥ずかしくて学校に来れないもん。
ってか辞めるかも
いいよねぇ~神経図太い人は、
ある意味羨ましいかも」

「あ、これ以上言ったら
悪口とかイジメだとか言われるのかな?
嫌だなぁ~金本君や藤崎君に
チクられる前にやめよ~」

そう言って席を離れてしまった。

身体がガタガタと自分でも
分かるぐらいに震えた上がった。

怒りとかそういうのではない。
怖いとも……違う。

何というか……自分がここに居てもいいのだろうか?
とか、自分自身を全て否定された気分になった。

やっぱり……帰りたい。

するとカバンの中から
スマホのバイブが震えたのを感じた。

私は、涙目になりながら
そのスマホを取り出した。

見てみると…睦月君からのLINEだった。

睦月君!?

慌てて見てみると

『おはよう。拓馬達に迎えに行くように
頼んだけど、ちゃんと行けた?
辛いかも知れないけど大丈夫。
咲良ちゃんは、ちゃんと乗り越えられるから』

そう書いてあった。

ちゃんと乗り越えられるから……か。

涙が出るぐらい優しい言葉だった。

大丈夫。きっと…睦月君達が居てくれるから
私は、大丈夫。

それから普通に授業に出る事が出来た。

授業の合間やお昼休みは、
金本君達がそばに居てくれたお陰で
乗り切る事が出来そうだったのだが
ある疑問が生まれてしまう。

そのせいで金本君達まで
被害に遭っているのではないのか?って。

だって普通なら睦月君も含め
女子達にキャーキャーと騒がられて
囲まれていてもおかしくない人達だ。

私がそばに居るせいで
変な距離が出来てしまった。