「ちょっとお邪魔しますね。
えっと……はじめまして。
松井美守っていいます。この子は、
友達の三浦咲良。
良かったら私達とお話しませんか?」
そう言いながら美守は、極上の笑顔を
睦月君達に見せた。
さ、さすが美少女なだけはある。
周りの女子生徒が一瞬怯んだ。
しかし
「ちょっと、私達が先に
声をかけていたのよ!?」
1人の女子生徒が文句を言ってきた。
それは、そうよね。
文句を言われても仕方がない。
しかし美守は、平然とした表情で
「あら、ごめんなさ~い。
地味過ぎて全然気づかなかったわ。
本当にごめんなさいね?」
そう言い出した。
「な、なんですって!?」
「やだ、怖~い。咲良この人達怖~い」
そう言いながら私の後ろに隠れた。
えぇっ!?
私に助けを求められても困る。
周りを見ると女子生徒達に睨まれていた。
ひぃぃっ!!
人前に出るのが苦手なのに
何でこんなことに!?
「咲良……」
目をウルウルさせながら私を見る美守。
そんな訴えられても…。
そうしたら
「こら、お前ら何をやってんだよ?
睦月が困っているだろ」
金本君ともう1人の男子生徒が間に入ってきた。
ハッと思い慌てて睦月君を見る。
「………。」
黙ったままこちらをジッと見ていた。
目が合ってしまった。
ドキッ!!
心臓が高鳴りだした。
だが、しかし
睦月君は、気にすることなく
席を立つと行ってしまった。



