何でもない日常だった。いつもと変わらない朝、通学路、隣には親友の那穂。

いつもと変わらずに、那穂からは彼氏の話が始まる。
「聞いて、ハナ!また、LINE既読無視されたー!」

また、那穂と那穂の彼氏の駿君が夫婦喧嘩をしたようだ。

こういうとき、私が悩んでも、次の日には仲直りしているのでほっとくのが一番である。

「まぁまぁ、駿君もようじあったんじゃない?」
私は、テキトーに慰めて、違う話を振った。

「そういえばさ、今日、うちのクラスに転校生来るんだって!」

そう、今日は、いつもと違っていた。

「転校生が来た」
その文字が、私のTwtterでツイートされると思うと、胸の高鳴りが止まらなかった。

うきうきしながら教室に入ると、教室中の視線が一斉に私達に向けられる。

みんな先生が来るのを、相当楽しみにしているらしい。
私は、那穂とはにかみ合いながら、自分の席に着いた。

私も那穂も、先生、いや、転校生が来るのを待っていた。

先生が教室に入ってきたのはそれから、五分くらいたった頃だった。

勢いよく扉が開かれ、担任の結月海斗先生が入ってきた。
新任の若くてイケメンな先生だ。

「席ついてー!ホームルーム始める前にみんなに嬉しいお知らせー!」

先生のその言葉で教室が嬉しさの声でざわめく。