私は勢いよく少年に群がる女に突っ込んだ。
「うわっ、いったぁい」
女たちが尻餅をついている間に
私は、少年の腕を掴んだ
「君!走るよ」
「えっ」
「ちょっと那月ちゃん返しなさいよ!」
どれくらい走っただろうか
女たちの声はもう聞こえなくなっていた
ヒーローになってしまった
私、アンパン○んに一歩近づけたかな
「あっでも私の顔は食べれないよ?」
「はぁ?それより......は...なせ」
「え?なんて?」
「離せよ!」
今なんて言ったかなこの少年
私助けましたよね?
普通は先にありがとうじゃないの?
とりあえず少年の腕を放してあげよう
「チッ」
「ねぇ、君さちょっと失礼じゃない?」
「は?」
「まず、ありがとうじゃないの?女の人が苦手なのかもしれないけど、礼儀ってものがあるでしょ?」
あ、忘れてた
理事長にプリント渡さないといけないんだった。
「じゃあ、私いくから」
私は足早にその場を後にした

