怜side



「理事長、少し彼女をお借りしてもよろしいですか?」



「あぁ、構わないぞ」



無理無理無理
私、レンタルしておりませんので



「じゃあ、行こっか」



「いや、行けないです。私まだやる事が残っているので失礼します」



「じゃあ交換授業受けるって事でいいんだよね?」



こいつ、見かけに寄らず頭がの回転が速い



「何処へ行くのですか」



「生徒会室、もちろん桐生のね」



完全に、アウェーだ
敵陣地に1人でだなんて



あぁ、少し前の私に言いたい
ヘマしすぎでしょ。助けたのは100歩譲っていいとして



あの醜態を見られてしまうなんて



どのみち、お願いをする身
出向かないなんて失礼極まりない
遅かれ早かれこうなっていた。



「わかりました、行きます」



「そうこなくっちゃ」



完全に面白がってるな


高校生とは思えないほどの、色気を放ち笑っている彼にこのうえなくイラついた



今日は、お爺ちゃんの所に顔を出すつもりが出来なくなった


色男の分際で
私の予定を狂わせた罪は重いってことを、分からせてやる