「時雨、ほんとにいくのか?」
「那月ちゃん怖気付いちゃったのかな〜?」
「べ、別にそんなことない。俺だって女と喋るくらぃ..」
「最後の方、聞こえなかったけどなぁ?」
「うるさい、早く行くぞ‼︎」
広場を抜けて鈴蘭学園の方へ足を進める
那月から、鈴蘭の生徒だと聞いたときは驚いた。
桐生高校の生徒を毛嫌いする鈴蘭の生徒が立ち入りが許されてるとはいえ、この広場にいることはイレギュラーだ。
いったいどんな女だよ。
もし桐生に男でも作りに来てたんなら、とんだアバズレ女だな。
「なぁ〜那月、どんな女の子だったわけ?」
「黒髪で、ショートで顔はあんまよく見てない、けど変な女だった」
「情報少なくない?」
「仕方ねぇだろ!?」
女嫌いの那月に
直視しろなんて、無理か
はやく、釘打って帰るか
鈴蘭の生徒からの視線もうざったいし。
「時雨!あの女」

