手に負えない系女子

時雨side



その日は、いつも通りの
何も変わらない日だった。


那月の様子を見るまではの、話だ。



「那月、さっきからどうしたわけ?」



「知らねぇ、さっき来てからずっとあんなだ」



「なーつーき?」



「な、なんだよ。時雨」



「そんなにぼーっとしちゃって、何々綺麗なおねぇさんのことでも考えた?」


那月に限ってそんなこと、絶対あるわけないけど。


「は?そんなんじゃねぇよ。あ、でも....」



「え、まじでそうなの?」



予想外、あの那月が。



「ち、ちげぇから」



「那月くんたら、怪しいー」



「ありがとうって言えなかった」



「誰に?」



「だから、女!」



「.......そう、女ね。なんでお礼?」



「助けてもらった」