「ゆい?帰っちゃうよ~」

「あ、今日は少し勉強していきたいから先に帰ってて!」

「相変わらずまじめだね~」

「まあ、無理しすぎんな?」

そんなことを言いつつ笑いながら帰っていった。
私が一緒に帰らないことはたまにあるし、勉強だって学年TOP5に入ることもあり、彼女たちが疑ってくることはない。

足りない。
いつだってそう感じる。

最近は、叔母たちに呼び出されたり仕事を押し付けられたりして、向こうに行けてないから余計にだろう。
会いたい。自分の素を知る人たちに。
行きたい。自分の落ち着くあの居場所に。

そんなことを考えながら、ベランダに出て空を見る。
夕日がとてもきれいで、落ち着くんだ。
そういえば、彼と話した日も夕日をみてたんだっけか。