「祐、悪いんだけど、地下に行ってお茶と紅茶買ってきて?」
全然悪いなんて思ってない態度で、美紗は俺に財布を差し出す。
「…ったく、しょうがねぇな〜」
呆れながらも、すぐに個室を出て地下に向かう。
平日ということもあり、
そんなに客はいないようで、俺はすぐに言われたものを買えた。
「あ〜また階段かよ。
美紗に合わせると大変だな」
とは言ったものの、エレベーターは今いる場所の逆。
面倒臭がりの俺が、そんなことをしてまで乗りたいとは思わない。
はぁ〜、とため息を漏らしながら、来た道を戻ろうとした。
でも、もしこの時楽をしたいがために、俺がエレベーターを使っていたら、
俺と君が出逢うのは
もうちょっと後
そしてたぶん…
いや絶対に始まらなかった
恋なんて…
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