8月の雪



「お前さ〜…美紗なんか待ってたら、いつになっても告らんないぜ?
さっさと言って、変われよ」


言ってることがグチャグチャだ。

でも、何となく分かる。


ようするに祐は、

『金井は自分から行くようなタイプじゃないから、お前から行って、今の関係から一歩前に出ろ』


たぶん、こんな感じだ。



いつものことながら、モテるやつの論理が並べられる。


祐本人は、自覚はないけど、
祐はかなりモテる。


だからなのか、いつも自信に溢れていて、
男子の俺でも憧れる。


「…祐は、好きなやついないのか?」

「……いるわけないじゃん。」

「そっか…」


彼女持ちに聞く質問じゃないことは、十分分かっている。

でも、聞かずにはいられない、
素朴な疑問。


俺が金井のことを好きだ、
と言うまでは、そういう話をしたことがない。

でも、祐には常に彼女がいた。

何となくだけど、あんまり好きなようには思えなかった。


告られたから付き合って、
飽きたら捨てる。

それでまた告られる。


それを数回繰り返している。


俺には理解できないが、祐は祐なりに考えが、あるんだと思う。