「…あ〜何してんだ、俺!? まぢ、らしくねぇだろ」 人通りが少ない道まで着くと、 俺は足を止めて、自分のしたことを思い返していた。 女に名前を呼ばれるなんて、 別に普通のこと。 逆に言えば、苗字で呼ばれるほうが、 珍しいほうだ。 なのに、彼女が呼ぶのは、 何かが違った。 そこら辺の女とか、美紗や栞に呼ばれる時とは感覚が違う。 彼女が発する言葉、 彼女が笑う、 その一つ一つが、俺を揺さぶる。 ほてった体は、夏の暑さと共に上昇する。 そこはまだ俺にとって、未知の世界。 .