一ガチャッ
勢いよくドアを開けると、
涙を頬に伝わせながら、俺を見てくる。
「…何があったんだよ!?
」
「……っ…」
肩を震わせながら俺を見る顔は、
何かに怯えてるようだ。
「……グスッ…えへっ何でもないの。
ちょっと泣きたくなっただけ…」
「はっ!?何、言ってんだよ」
さっきとは対象的に、
泣き腫らした瞳で笑いかけてくる。
それを見た瞬間、俺の我慢は限界を達し、勢いよく抱きしめた。
「なっななっ穂高君っ!!?」
「いいから黙っとけ。
泣きたい時にヘラヘラ笑ってるようなやつは、俺は嫌いだ。」
「…うん…ごめん」
自分でも軽率な行動をとったと思った。
でもお互いのことを何も知らない俺達にとって、
抱きしめたことで、何かが生まれた。
「…芙由…」
「…ほだ、か…君」
初めて呼んだ名前からは、熱が伝わりそうな感じがして、少し怖かった。
それでも、鼻をすする彼女を離すことなんて、
俺には出来なかった。
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