「……祐!?」
「るせっ!今から出んだよ」
怒鳴りながら、俺は震える手で通話ボタンを押した。
「………はい、もしもし。」
『…ヒクッ…もし…も、し…グスッ』
電話腰に聞こえる声は、
泣いていてよく聞き取れない。
さっきまでのモヤモヤはいつの間にか消えて、
俺は知らない間に、走り出していた。
携帯は通話中で、俺の耳に当てたまま。
なのに泣いてばかりで、何も話さない。
だから今俺は、こんなに汗だくになりながら、君の元へと走っているのかも知れない。
でも、今何かが変わり始めてた。
いつもの俺なら、
面倒臭がって絶対にこんなことしてない。
理屈じゃないのかもしれない。
それでも、この時の俺は理由が無かったら、君の元へ向かうことも出来なかった。
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