8月の雪




「あ〜…なんかモヤモヤする…」


ベットに横になると、届いている数件のメールを読みながら、俺は彼女の笑顔を思い出していた。


あんな風に俺に笑顔を向けてくれる人は、俺の周りにもういない。

みんな冷めた目をしていて、
人のことより自分のこと、
ってやつがほとんどだ。


だから、久々にあんな笑顔を見て、俺は動揺しただけ。

別に深い意味なんてないんだ…


一ブーッブーッ


突然、手に持った携帯が鳴りだし、一瞬落としそうになったが、両手で掴み、
ディスプレイに表示された名前を見た。


【村上芙由】


その名前を見た時、
まるで体中に電気が流れたような感覚に見舞われた。


そう言えば、
暇な時はメールして、
とメアドを交換したんだった。


カチカチ、っと慣れた手つきでボタンを押しながら、俺は一通のメールを読んだ。



《芙由だよ〜
早速メールしちゃった
今日はありがとうね》



たったそれだけの短い文。
なのに、まるで彼女と話してるような感じがして、
なんだか笑えた。