8月の雪




「じゃあっまたね、美紗…穂高君…」


空はだいぶ暗くなり、
遠くのほうではもう星が出始めている。


「明日は無理だけど、明後日は行くから」

「ははっ…そんなに頻繁に来なくていいよ?
私はいつだってここにいるんだから」


一ドキッ


またあの笑顔だ…

最初に逢った時と同じ、
淋しくて切ない笑み


美紗に向ける笑顔を不信に思いながら、俺は俯いた。


“幸せ”の意味を聞いたときと同じ笑顔。


俺はどうしてだか、この笑顔が頭から離れなかった。


夕日に背を向けて俺達に手を振る彼女の姿は、眩しくて俺は目を背けた。
























「芙由に惚れた?」


「はっっ!!??
なっ何言って、んのお前っ!?」


帰り道、すっかり夜に変わった道を歩きながら、さっきまで黙っていた美紗が突然口を開いた。

そんな美紗の質問に驚いて、持っていた鞄は一瞬、俺の手元を離れようとした。