「じゃあっまたね、美紗…穂高君…」
空はだいぶ暗くなり、
遠くのほうではもう星が出始めている。
「明日は無理だけど、明後日は行くから」
「ははっ…そんなに頻繁に来なくていいよ?
私はいつだってここにいるんだから」
一ドキッ
またあの笑顔だ…
最初に逢った時と同じ、
淋しくて切ない笑み
美紗に向ける笑顔を不信に思いながら、俺は俯いた。
“幸せ”の意味を聞いたときと同じ笑顔。
俺はどうしてだか、この笑顔が頭から離れなかった。
夕日に背を向けて俺達に手を振る彼女の姿は、眩しくて俺は目を背けた。
「芙由に惚れた?」
「はっっ!!??
なっ何言って、んのお前っ!?」
帰り道、すっかり夜に変わった道を歩きながら、さっきまで黙っていた美紗が突然口を開いた。
そんな美紗の質問に驚いて、持っていた鞄は一瞬、俺の手元を離れようとした。

