8月の雪



「えっ穂高君って学年一位なの!?」

「うん、そうだけど?
何でそんなに驚いてんの!」

「そりゃあ驚くでしょ?
あんた見た目とかチャラいもん」


彼女は俺が、学年で一番頭が良いということに驚き、
美紗の言葉に頷く。


「お前等人を見た目で判断しすぎ。
こう見えて俺は、努力家なんだから」


そんな言葉を聞いた二人は、失笑する。

呆れた俺は、黙ってぬるくなった美紗の紅茶に手を伸ばす。


一口ゴクリと飲むと、無糖のわりに甘い紅茶にびっくりした。


「あっそれ、さっき私が砂糖入れたから、甘いよ!!」

「うわっどおりで甘いよ〜
相変わらず美紗は甘党だな!?」


甘いのが苦手な俺は、
口直しになりそうなモノを、鞄の中に入ってないか探す。

でも、こういった時に限って、いつもあるはずのガムが無い。


はぁ〜、とため息をつきながら、鞄を床に置いた俺に、


「はい、これ私のだけど…
まだそんな飲んでないから」

「えっ悪くない!?」

「ううん、いいよ
ってか元々穂高君が買ってきたモノだし…」


「…ありがとう」


少し言葉につまりながら、
満面の笑みを浮かべた彼女から、お茶を受け取った。