別に答えを求めていたわけじゃない
ただなんとなく、聞いてみただけ
ただそれだけなんだ…
でも君は必死に答えを探してくれた
俺はそれが嬉しくて
知らずまに微笑んでいた。
「あっ、私の幸せは
“今”があることです」
「今があること?」
「はいっ!
だって、今日を生きていたとしても明日何が起こるかなんて、分からないでしょ?」
「だから、今がある私が
私の幸せです…」
儚げに笑う彼女を見て、
俺の胸は苦しく締め付けられた。
“今”を当たり前に生きている俺には
彼女の言ってる意味は分からなかった。
それでも、あの日の俺を見てるようで
自分が汚く見えた…
「…アリガトウ」
何でだか、気付いたら小さく呟いていた。
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