「銀司!」


かぐやが慌てて名を呼ぶと銀司はすぐに起き上がった。


「かぐや怪我はないか?!」


「私は大丈夫、銀司のおかげ」


そういうと銀司は首を振った。


「俺じゃない、白虎の奴が俺たちの前に壁になって庇ったんだ」


かぐやは慌てて白虎の姿を探したが見つからない。


「白虎!どこ?白虎返事をしてっ」


二人が爆発のあったほうへ向かうと


そこには隕石でも衝突したかのような大きな穴が開いているだけで


魔物の姿も鞍馬の姿も見当たらなかった。


「鞍馬は使命を果たした」


銀司は涙を流すかぐやの肩にそっと手を置いた。


「?!」


「白虎の気配、こっち!」


かすかな白虎の気配に走って行くとそこには血だまりの中に白虎が横たわっていた。


全身裂傷を負い、骨も砕けている。


「ふ・・・二人とも無事でよかった・・・」


白虎が口の端から血を流しながら言った。


目は薄っすらとしか開けられていない。


「かぐや、すぐに治癒を!」


銀司が叫ぶ。